ソニーはアストロボットの顕著な売上を受け、家族向けゲームラインナップの拡大を進めています。このプラットフォーマーの成功がプレイステーション戦略をどう変え、過去の名作シリーズ復活につながるかご紹介します。
プレイステーションが家族向けゲーム戦略を拡充
アストロボット150万本突破
2024年9月発売の『アストロボット』は驚異的な成功を収め、150万本以上の売上を達成、2024年ゲームアワードでゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。これを受けプレイステーションは今後、同様の家族向けプロジェクトの優先度を高めると発表しました。
2月13日開催のソニー2025年度第3四半期決算会見で、代表取締役会長兼社長CEO・CFOの十時裕樹氏は、ゲームオブ・ザ・イヤーやベストファミリーゲームなど計4部門での受賞を高く評価。『ヘルダイバー2』のベストオンラインゲーム&マルチプレイヤー部門受賞にも言及しました。
「これらの受賞は、特に家族向けエンターテインメントとライブサービスタイトルにおいて、ゲームポートフォリオの多様化戦略が進展している証です」と十時氏はプレイステーションのコンテンツ戦略について語りました。
プレイステーションの家族向けゲームの系譜
プレイステーションには『スライ・クーパー』『エイプエスケープ』『ジャック×ダクスター』などかつて人気を博した家族向けシリーズが多数存在しますが、近年は休止状態が続いていました。アクティビジョンの『クラッシュ・バンディクー』や『スパイロ』がXbox傘下になった現在、『ラチェット&クランク』『リトルビッグプラネット』と新たな成功を収めた『アストロボット』が主要な現行シリーズとなっています。
2024年12月のファミ通インタビューで、プレイステーションスタジオ責任者のハーマン・フルスト氏はアストロボットの重要性を強調:「アストロはプレイステーションにとって特別な存在です。小規模な開発チームが作り上げたこのゲームは、単なる優れたプラットフォーマーであるだけでなく、プレイステーションの歴史を祝う作品にもなりました」
クラシックIP復活の兆し
アストロボットに散りばめられたプレイステーションの懐かしの要素は、過去シリーズ復活の前兆かもしれません。フルスト氏は以前「私たちの豊富なIPカタログは貴重な資産です。過去の名作シリーズ復活と新規IP開発の両方を常に検討しています」と述べていました。
『メタルギアソリッドΔ:スネークイーター』のトレーラーに登場したエイプエスケープの隠し要素(初代スネークvsモンキーミニゲームのオマージュ)や、PSストアでの『スライ・クーパー』再配信などから、過去作品への関心が高まっていることが伺えます。
アストロボット無料コンテンツアップデート2025年2月13日配信
5つの新ステージとコレクタブルボット追加
チームASOBIのニコラ・ドゥセ監督は2月13日のプレイステーションブログ記事で、大規模な無料アップデートを発表。ビシャスボイドギャラクシーに5つの新ステージが追加され、『プレイステーションXPトーナメント』の決勝ステージも登場します。
配信予定コンテンツ:
- 2月13日:ティックトックショック
- 2月20日:スラストオアバスト
- 2月27日:コックアドゥールドゥーム
- 3月6日:ハードトゥベア
- 3月13日:アーマードハードコア
毎週木曜日午前6時(PT)/午後2時(GMT)/午後10時(JST)に配信。ドゥセ監督によると「これまでのアップデートよりチャレンジングなプラットフォーマー要素」が特徴で、各ステージには救助するスペシャルボットが登場します。ステージクリアで解禁されるタイムアタックモードにはオンラインリーダーボードを実装。PS5 Proユーザーは60fpsのエンハンスド性能を楽しめます。
『アストロボット』はプレイステーション5独占タイトルです。詳細は特設ページをご覧ください。